ジョスの手に握られていたモノ

ある夜、いつものようにジョスとご飯を食べていると、突然ジョスが外の方を見て、

『あっ、外見てみ、猫おるで』

私は暗くてよく見えなかったので、ガラス戸の方へ少し近づきよく見ると、そこには家の中を覗いている2匹の猫がいるではありませんか!

するとジョス、『ドア開けて』
と言い出す。

『なんで?』と思いましたが、言う通りにすると、1匹の猫がドアの隙間からヒョコッと顔を出し、こちらの様子を伺っていました。

しかしその後すぐに猫は姿を消し、私達はそのままいつも通りに夕食を終え、私は適当に、ジョスはタバコを吸いに外に出ました。

すると、一服しにいったはずのジョスが直ぐに家の中に戻って来て、

『プラスチックの箱なんか持ってきて!』

といきなり言うではありませんか。

何事かと思い、ジョスの様子を見てみると、片手にはタバコ、そしてもう片方の手には何やらよくわからないものを持っていました。

そのよくわからない物は、灰色っぽくも茶色っぽくもあり、ジョスの手からはみ出た部分から見えるのは、細長く垂れ下がったもの。

『なんなん?』

と言いながら、プラスチックの箱を探すも直ぐに見つからなかったので、適当に目に入ったジャムの空き瓶を渡そうとすると、

『そんなんやったらあかん!何かタッパーみたいなんあったやん。早くー』

と言われたので、またキッチンに戻り、その後すぐ無事にタッパーを見つけ手渡すと、何とジョスの手に握られていたものは、ヤモリ。

そのヤモリをタッパーに入れ、

『そこに動かずにいてん。多分、猫にイタズラされて動かへんくなったんやで。猫がそこにいたのも、こいつがいたからやと思う。
ていうか、こいつ何食べるんやろう?』

って、ヤモリ飼うつもり?!

『いやいや、これヤモリやから。』

と言おうとする前に、亀のタロウちゃんのために買ったエサを持ち出し、ヤモリにあげてみるジョス。

『多分、食べへんと思うで。これ、日本ではヤモリって言って家の回りによくおるねん。で、虫食べるねんで。』

って私が言っても、『ふーん』と言うだけで、何やらネットでこのヤモリの事を調べ出したジョス。

結局、そのヤモリの写真だけを見つけ、『これや、これ』と私に見せ、『せやな』 と私相づちをうち、その後ヤモリは一晩ずっとプラスチック容器(途中タッパーから植物用プラスチック容器へ移しました)の中で朝まで動かずにいました。

翌朝、全く動かなかったヤモリをジョスが外に離すと、サササッと逃げるように素早く動いたヤモリ。

それを見て、

『やっぱり昨日は猫にイタズラされてたから、固まってたんやな。今日はめっちゃ動き速かったで。』

と興味津々に言ったジョスでした。
(実際、ヤモリの動きが猫のせいなのかどうかはわからないけど、タロウちゃんの事にしても意外にジョスの言った通りだったりする…)

それにしても、ヤモリを飼う事にならなくて良かった良かった^_^;

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